今回のテーマは理系学生にとって運命の分かれ道と言っても過言ではない研究室選びについてです。
大学院進学予定→文系就職→内定辞退→大学院進学決意という思考を辿り、現在は博士課程まで進学を希望している筆者の体験談に基づき、研究室選びについて失敗しない方法、あるいは考慮すべきことを伝えます。
ここでは、すでいん大学に入学している大学1年から3年生を対象に、学部時代4年間の過ごし方について話します!
研究室配属の基本的な流れ
まずはじめに、学部4年間での大まかな流れについて説明します。
大学1年生:基本的には教養科目を受ける
大学2年生:専門科目が始まる(大学によっては2年のはじめに学科配属)
大学3年生:オープンラボや仮配属で研究室に触れる
大学4年生:研究室へ本配属され研究を始め卒論へ着手する
大学4年生の時に大学院の試験があります。
就職する人は受けませんが、近年の理系学部だと多くの人が受験します。
学部時代の成績が優秀だと試験が免除になることもあります。
大学院から別の研究室に行くことも実際は可能です。
教養科目では幅広く受講し、現時点での興味を確認しよう
大学1年生の教養科目では、自分の学部の専門だけでなく、他の分野や教養科目など幅広く受けることが可能です。
自分の興味のある科目はもちろん、興味のない科目を受けてみるのも面白いです。
本当に興味がないのか、実は面白いのかの判断材料に少しはなると思います。
また少人数でのディスカッションやグループワークがあるような授業だと、他学部の友達もでき情報源や刺激になるため、より学生生活を豊かにしてくれるでしょう!
また、この時点で今の学部があっていない、どうしても他にやりたいことがある場合は、転部試験、編入試験を検討しましょう。
専門科目ではさらに興味のある分野と相談できる教授を見つけよう
専門科目が始まった!わーい、と言っても実は全然専門ではありません!
専門的な研究をするための、基礎的な内容や専門のための教養を学ぶ授業になります。
ただ、この専門科目では基本的にその学科の先生が授業を担当してくれます。
授業中の雰囲気や話の内容、実際に質問や相談に行くなどして教授の雰囲気や性格の相性をたくさん見ましょう。
専門科目の中にも複数の分野があることが多いので、どの分野に興味があるか確認しておくのも良いでしょう。
また研究室配属では成績が重視されることが多いので専門科目の授業はしっかり受けているとよかったなーと反省しました。笑
オープンラボや仮配属で積極的に関わろう
三年生になると、オープンラボや仮配属など研究室側から迎え入れる準備をしてくれることが多いです。
しかしこの前に自分が興味を持った研究室は訪れておいたりすることで、仮配属をする研究室もしっかり選べます。
オープンラボでは、学生の雰囲気や研究内容を感じたいですし、仮配属では、実際に少し過ごしてみることで生活のイメージをつけたいですよね。
いずれにせよ、もうすぐ研究室が始まる!という意識を持って研究室を観察しましょう。
理系学生にとって研究室は避けては通れません!
実際に研究室へ配属、卒論へ着手では今ある環境の中で最大限もがこう
それだけしっかり研究室を選んでも、「あっ違った」と思うかもしれません。
そんな時は、とりあえず今の環境で一生懸命やってみたら考え方や環境が変わるかもしれません。
それでも無理な時は、退学や不登校ではなく、大学の相談機関に相談したり、研究室の変更を考えましょう。
以上、全体的な流れをまず説明しました。
次に具体的なチェックポイントを見ていきましょう。
研究室配属の大事なポイント
実際に研究室配属をするにあたってどこを見ればいいの??
というポイントをまとめました!
- 研究室に何を求めるか考えよう
- 教授との相性と実力を考えよう
- 研究の内容と実態を確認しよう
- 研究室の雰囲気をしっかり感じよう
以上の4点をしっかりチェックすれば研究室配属における失敗のリスクは限りなく減らせます。
1. 研究室に何を求めるか考えよう
いわゆる自己分析ですね。
研究室をどうしよう、以前に自分はどうしたいのか確認しましょう。
具体的な内容として例えば以下の項目を自分に問いかけましょう。
- 将来やりたいことはなに??決まってる??
- 進学はするの??修士まで?博士まで?
- したい研究はなに??決まってる??
- 研究以外に取り組んでいることは??どれくらい??
- 研究室にはどれくらいコミットできそう??
- ワイワイしたい??切磋琢磨したい??
- この人についていきたいと思える人はいる??
ざっとこんな感じでしょうか。
まずは自分が、どんな研究室を求めて、どこまでできるのか確認しましょう。
就活と同じく自己分析から始まります。
2. 教授の実力と相性を確かめよう
授業をちょっと受けたくらいの学生はまだまだ研究なんてできません。
つまり、学生の研究は教授と二人三脚で進めていくものであることを理解しましょう。
もちろん性格的な相性もあるでしょうが、方向性や考え方、価値観を確かめる必要があります。
例えば、「絶対にドクターまで行って研究をするべきだ!」という主張の教授に「学部卒で文系就職します」という学生が行ったらどうなるでしょう。
もちろん互いに研究への熱意やレベルに溝ができ良い研究室生活を送れるわけもありません。
下手したら研究をまともに見てくれない可能性もあります。(明確な理由がない限りこれはアカハラですが)
自己分析の結果、自分はどういう進路を歩みたくてどういう研究室にいきたいか事前に教授とすり合わせましょう。
3. 研究の内容と実態を確認しよう
そして、自分のやりたい研究がある場合は内容が会う研究室を選ぶことも重要ですよね。
また研究内容だけでなく、どれだけ学生が論文を書いているか、科研費などの研究費はどの程度あり学生の負担や研究設備はどうなのか、と行った実態は知る必要があります。
論文の質や量は、研究者としてだけでなく学生としての評価や奨学金などにも繋がりますし、研究費によって学生の学会や調査などの渡航費など、どれだけ補助してくれるかが決まることが多いです。
科研費のHPからも見ることができますし、研究室のHPを見れば実績や研究内容が載っていることも多いです。
もちろん実際に研究室へ行ってみて、研究の発表を聞いて見たり、「どんな研究をしているか教えてください!」と先生や学生に言ってみると説明してくれるはずですよ。
コアタイムなど、が設定されている研究室もあるので、聞いてみるといいでしょう。
4. 研究室の雰囲気をしっかり感じよう
最後に大切にして欲しいのは研究室の雰囲気ですね。
どんな学生にしろ大学生活の多くを研究室で過ごすことになった時、研究だけが研究室ではありません。
研究室にどの程度人がいるかで、研究への熱意や仲の良さが伺えます。
飲み会やイベントの多さで、モチベーションやかかる費用も変わってきますよね。
また大学院までいくと3年間を過ごすことになります。
論文の締め切りまじかに一緒に最後の一踏ん張りをできるか、共通のテーマや互いのテーマを楽しく語ることができるか、就職活動に対する理解や進路はどうなっているかも大切ですね。
研究以外に取り組んでいることがある場合、どれだけ理解してもらえるかも大事な指標です。
いずれにせよ、自分がしっかりコミュニケーションを取れそうな研究室を選ぶことは心身ともに健康な状態で過ごすコツかもしれません。
まとめ
研究室配属は、大学入学した時点で(いうならば大学選びから)始まっています。
また多くの時間を過ごす研究室選びはしっかり考える必要があります。
自分自身をしっかり理解した上で、教授、研究そのもの、研究室そのものの観点からしっかり見てみると失敗のリスクを減らせます。
全ての学生がしっかりと自分にあった研究室を見つけ、いい研究室生活を送れますように!
それじゃ。