くんせいくんのラボ日記

現役国公立大の理系大学院生「くんせい君」が地味に書いてるブログ。理系学生にとって必要な学部・大学院への入学から学生生活・研究について、そして就職や進路に関する耳寄り情報や地元北海道の有料情報,趣味のサブカル・アウトドア情報や感想などを幅広く呟いていくブログ。

理系学部生が就活する前に考えて欲しいこと

このブログを運営している くんせい君@shimaenagalab)と申します.
北海道在住の燻製が大好きな大学院生で,
真面目に研究をする傍らで燻製をする日々を過ごしています.
 
研究の楽しさを知ったことで,倍率500倍の内定先を辞退して大学院に通っています.

 

今日のテーマは、理系学部生の進路に関する話です。

 

自己紹介を読んでもらうとわかる通り、僕は文系就職→辞退して大学院進学へ切り替えました。

自分にとってはものすごく貴重な経験になったため後悔はありませんが、ぜひみなさんの選択のお役に立てればと思います。

 

大学院進学の状況について

 

まず文系学部生は大学院へ進学する人が少なく、よほど今の専門分野を深めたい人でない限り、学部就職というのが一般的かと思います。

一方で理系は比較的、大学院へ進学する人が多いです。

 

現在の日本の大学進学率は約50%程度です。

そのうちの大学院への進学率は以下のようになっています。

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引用:https://news.hoken-mammoth.jp/graduateschool/

 

また上記の通り全体の数字は低く出ていますが、国立大学や有名私立では8割を超える進学率の学部も多くなっています。

 

www.univcoop.or.jp

 

この記事を見ると、大学院へ進学する理系学生のうちかなりの数が「周りが進学するから」「当たり前だと思ったから」で進学しているのです。

つまり、圧倒的に周りに流されている学生は多いことが言えます。

 

 

もしあなたの大学が8割以上の進学率を誇る大学学部だった場合、その中で就職を決意し周りに流されず、自分で動いて就職活動をしようとすること、あるいはしていることを尊敬します!

 

ただ、僕や同じ経験をしたひとたちの経験から、3つの考えて欲しいことを挙げたいと思います。

 

学部卒で就職する前に考えて欲しい3つのこと

 

研究分野に興味や未練はないのか

まず最初に自分に問いかけて欲しいことは、研究分野に対して興味や未練は本当にないのか、ということ。

「今の研究分野は面白くもう少しだけでも掘り下げてみたい!」「もう少し自分の好きな研究をしてみたい。」と言った人は、大学院へ進学した方がいい可能性がある。

 

学生はお金を払って勉強をさせてもらっている。つまり、たとえ理系就職したとしても、お金をもらって働いている以上、自分の研究というよりも企業のための研究あるいは、他の業務や単なる作業である可能性が高いでしょう。

 

「本当にこの研究は二度としたくない。」「自分で考えて学問を深めたいとは思えない。」という人以外は、もしかしたら大学院での時間はとても有意義になるかもしれないですね!

 

大学院で得られるのは技術や知識ではない

「大学院は専門の知識をつけに行くところでしょう?」「働いた方が実際の知識はつくんじゃないの?」という人も多いと思います。

 

 もちろん大学院へ進学する理由の多くに、研究を深めたい、ということがあり、学部卒だと1年弱しかできない研究を、約3年に伸ばすのだから研究を深めることになると思います。

 

しかしとはいえ長い人生のうちたった2年くらいの研究で、それも学生としてふわふわと研究をするくらいなら、企業に勤めた方が知識や業務は覚えて行くと思います。

 

それでは大学院は何をしに行くところなのでしょう。

それは、研究を通して自分で考える力(これは働いてもできることがある)や、学会や勉強会、セミナーに積極的に参加することで、他大学の同年代や大学の有名教授などとの人脈を作ることにあるのではないでしょうか。

 

社会人として企業に属してしまったら「〇〇という会社の人」という肩書きが先にきてしまい会社外の人とはビジネスライクな関係になりますが、大学院生の場合は「〇〇大学の学生」という肩書きにも関わらず、「その業界の若く魅力的な学生を全体で育てよう」という風潮が多いため、ビジネスライクな関係というよりは人間として関わってもらえることが多いようです。

 

こういった経験は、大学院生ならではなのではないでしょうか。

また学生という立場で、本当にこの分野で働くのか最終的に考えることができるのもいいことですね!

良い意味でモラトリアムを延長してください。

 

長い人生をどう生きるつもりなのか

最後に、これからの日本社会は黙っていると70歳いや80歳まで働かされかねません。

合計特殊出生率は上がる気配はありませんし、移民の受け入れにも限界があります。

 

人口が減るということは、子供や若者世代の減少に繋がり、すなわち必然的に高齢者の割合が増えて行くからです。

今までは払えていた年金を国の税金で賄えなくなるから、高齢者も働かなくてはならない社会になるのです。(まあそのために稼ぐ力を身につけていたり、遊びを仕事にして働いている感覚を減らすことは非常に大切になりますよね)

 

もし仮に80歳まで働くとした場合、

学部卒(22歳)と院卒(24歳)での勤務年数は3%程度の差しかありません。

逆に学部4年間と院までの6年間だと33%も差があるのです。

 

大学生活を有意義なものにできるのであれば、社会人を3%増やすより、学生を33%増やした方がなんだか有意義な気がしませんか??

 

 

まとめ

理系学部で入学したのに、学部卒で(文系)就職しようと考えている人に考えて欲しいことを記事にしました。

それは、①本当に研究に興味や未練はないのか、②大学院は知識を深めるだけだと思っていないか、③これからの人生の長さを考えているかです!

 

とは言え、今やっていることを切り捨てて新しいことに挑戦しようとすることは立派なことですので、もしそれでも就職したいんじゃぁぁぁという人は自信を持って頑張ってくださいね!

 

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